FAQ|よくあるご質問 ②性能について
高断熱・高気密住宅
UA値・C値・HEAT20
高断熱・高気密住宅という言葉を聞く機会が増えましたが、「本当に必要なの?」「UA値やC値って何?」と感じる方も多いと思います。
私たちは、自身が実際に暮らす自邸を通して、断熱・気密・日射取得・通風・耐震性能・空調計画などを日々検証しながら設計しています。
性能だけを追い求めるのではなく、日々の暮らしが快適で、無理なく、長く安心して住み続けられること。
このページでは、高性能住宅についてよくいただく質問へ、実体験を交えながらお答えしています。
Q.1
高断熱・高気密住宅は本当に必要ですか?
A.
はい。私たちはこれからの住まいにおいて、高断熱・高気密といった性能は「特別な性能」ではなく、「これからの基準になる性能」だと考えています。
冬の寒さや夏の暑さを我慢しながら暮らす住宅は、快適性だけでなく、健康面や光熱費にも大きな影響を与えます。特に近年は、光熱費の上昇や気候変化もあり、住宅性能の重要性はますます高まっています。
ただし、数値だけを追い求めれば良いとも考えていません。自邸では断熱等級6(UA値0.34)、C値0.59の性能を確保し、壁掛けエアコン2台のみ(夏用1台・冬用1台)で一年を通して快適に暮らせる計画としています。
性能だけでも、デザインだけでもない。日々の暮らしが自然と整い、長く安心して住み続けられる住まいを大切にしています。
Q.2
UA値とは何ですか?
A.
UA値とは「住宅の断熱性能」を表す数値です。外壁・屋根・床・窓などから、どれくらい熱が逃げやすいかを示しており、数値が小さいほど断熱性能が高いことを意味します。
ただし、実際の快適さには気密性能・窓の配置・日射取得・日射遮蔽・通風計画・空調計画なども大きく影響します。UA値だけを追い求めれば良いとは考えていません。
関連コラム
UA値/断熱等級をどこまで上げるべきか →Q.3
C値とは何ですか?
A.
C値とは、住宅にどれくらい隙間があるかを示す「気密性能」の数値で、数値が小さいほど隙間が少なく、冷暖房効率や換気計画が安定しやすくなります。
どれだけ断熱性能を高めても、隙間が多い住宅では外気の影響を受けやすく、快適性が損なわれる場合があります。また、計画換気が安定しにくくなることで、室内環境へ影響することもあります。
私たちは「施工精度」も含めて住まいの性能だと考えています。自邸でも実際に気密測定を行い、施工精度や実際の温熱環境を確認しています。ただ数値を競うのではなく、「無理なく快適に暮らせること」を大切にしています。
Q.4
HEAT20 G2とは何ですか?
A.
HEAT20 G2とは、UA値と同様に住宅の断熱性能を示す目安の一つです(HEAT20 G2=断熱等級6)。冬場でも室温が安定しやすく、暖房負荷を抑えながら快適に暮らせる性能水準として、多くの高性能住宅で目標とされています。
ただし「G2を目指すこと」自体を目的にはしていません。大切なのは、その性能によって日々の暮らしがどう変わるかです。
冬の朝でも室温差が少ない
足元が冷えにくい
少ない冷暖房で快適に暮らせる
光熱費負担を抑えやすい
自邸でも実際に暮らしながら温熱環境や光熱費を検証し、「本当に必要な性能」を大切にしています。
Q.5
高断熱住宅は夏も涼しいですか?
A.
はい。高断熱住宅は、適切な日射遮蔽と組み合わせることで、夏も快適な環境をつくりやすくなります。ただし「断熱性能が高いだけ」では、夏を快適に過ごせるとは限りません。
特に重要なのは、夏の日差しを室内へ入れすぎないこと・気密性が高いこと・空気の動きを設計することです。
屋根や庇の計画
窓配置と方位計画
通風計画
空調計画
夏の日射を遮りながら、自然の風を取り込み、機械設備へ過度に頼りすぎない暮らしを大切にしています。
Q.6
吹抜けのある家は寒くありませんか?
A.
吹抜けは、断熱・気密・空調計画が不十分な場合、寒さにつながることがあります。ただし、適切な性能を担保した住宅であれば、吹抜けがあっても快適な温熱環境をつくることは可能です。
光を取り込む
空気を循環させる
空間に広がりを与える
自邸でも吹抜け空間を採用し、実際の室温変化や空気の流れを確認しながら設計しています。空間の広がりと快適性の両立を大切にしています。
Q.7
高断熱・高気密の家は、冬のヒートショック対策になりますか?
A.
はい。つながります。ヒートショックは、暖かい部屋と、寒い廊下・浴室・トイレの温度差で、体に急な負担がかかることで起こります。つまり、家の中の温度差そのものが原因です。
高断熱・高気密の住まいは、部屋ごとの温度差が小さくなります。廊下も、脱衣所も、トイレも、極端に冷え込まない。少ない冷暖房で、家全体の温度が保ちやすくなるからです。
Q.8
高気密の家は、息苦しくありませんか?空気がこもりませんか?
A.
いいえ。むしろ逆です。「気密が高い=密閉されて息苦しい」と思われがちですが、これは誤解です。高気密の家ほど、計画した通りに空気を入れ替えられます。
隙間だらけの家は、風まかせの換気になる
気密が高い家は、給気と排気の道筋を設計できる
24時間換気が、はじめて設計通りに働く
こもるどころか、空気は静かに、絶えず入れ替わっています。気密は、閉じ込めるための性能ではなく、空気をきちんと動かすための性能です。
Q.9
結露やカビは起きませんか?
A.
適切に設計・施工すれば、抑えられます。結露は、暖かく湿った空気が、冷えた壁や窓で急に冷やされることで起こります。原因は「温度差」と「湿った空気のよどみ」です。
断熱を効かせ、壁や窓の表面を冷えにくくする
気密と計画換気で、湿った空気をよどませない
断熱だけでも、換気だけでも足りません。この二つがそろって、はじめて結露とカビは起きにくくなります。自邸でも、実際の温度と湿度を測りながら、結露の出ない環境を確認しています。
Q.10
断熱等級は、7まで上げた方がいいのでしょうか?
A.
私たちは、等級6を標準としています。
数字は上を見ればきりがありません。等級7はたしかに立派な性能です。ただ、そこまで上げるには、建築費もそれなりに増えます。
大切なのは、その性能が暮らしをどれだけ変えるかです。自邸は等級6と等級7の中間(UA値0.34)、C値0.59で、壁掛けエアコン2台だけで一年中快適に暮らせています。ここまでで、多くの方が求める快適さと健康は十分に届く、というのが実際に住んでの実感です。
性能は、暮らしのための道具です。道具のために暮らしを削るのは、順番が逆だと考えています。
Q.11
地震や台風、停電のとき、この家は大丈夫ですか?
A.
災害の多い国だからこそ、「もしも」への備えは、性能の大切な役目だと考えています。弊所が標準としている備えを、正直にお伝えします。
地震、台風について。
弊所は、耐震等級3を標準としています。国が定める耐震性能の中で、いちばん高い等級です。消防署や警察署など、災害時の拠点となる建物と同じ水準です。
簡易な計算ではなく、構造計算(許容応力度計算)で一棟ずつ確かめます。強さに、数字の裏づけを持たせます。
屋根や庇の出寸法は、風の影響を考えながら決めます。屋根の軒をしっかり出すことで、風雨による外壁の劣化を軽減します。
停電について。
太陽光発電を載せておけば、停電のときも、昼間は最低限の電気を自分でまかなえます。自邸でも設置し、実際に確かめています。
高断熱・高気密の家は、冷暖房が止まっても、室温が急には下がりません。停電が続いても、家の性能そのものが、暮らしを守ってくれます。
派手な防災設備をそろえることより、建物そのものを、強く、性能高くしておくこと。それが、いざというときに、いちばん頼りになる備えだと考えています。
暮らしの性能
耐震・断熱・省エネ。弊所が標準とする性能の考え方を、
より詳しくまとめています。
断熱等級6・C値0.7以下の住まいが、実際にどんな空気感なのか。数字ではなく、体感で確かめてください。
自邸見学会
設計者が家族と実際に暮らす自邸を、毎月限定で公開しています。
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住まいの相談会
性能のこと、断熱等級のこと。
どんな段階のご相談でも歓迎しています。随時開催。費用はかかりません。