千葉県袖ケ浦市に完成した、
落ち着いた切妻屋根の住まいです。
古い街並みが残る周辺の風景に、
まるでずっと前からそこにあったかのように、
静かにしっくりと馴染む佇まいを目指しました。
このお住まいの主役は、
平面的にも立体的にも、文字通り「家の真ん中」に据えられた大きな吹抜けです。
設計当時、まだ小さなお子様が、
どこにいてもお父さんやお母さんの気配を感じられるように。
そして、
心地よい日差しと健やかな空気が、
家の隅々までグルグルと、まるで生き物のように回遊する間取りをつくりました。
実は、
2階の吹抜けに面した通路には、ちょっとした設計の仕掛けがあります。
この通路の存在によって、1階の南側が少し奥に引っ込んだ形(セットバック)になっています。
これが、夏の厳しい日差しを遮る「深い庇(ひさし)」の役割を果たしてくれるのです。
日陰に入るとフッと涼しい風が抜けるその場所は、
心地よいウッドデッキ(縁側)となり、
造園家の武田作庭店さんが丁寧に仕立ててくださった美しいお庭へと地続きでつながっていきます。
性能の数字を並べることは簡単ですが、
私が本当に大切にしているのは、その数字の先にある安心と美しさです。
大きな吹抜けがあっても、
冬に寒さを感じず、
大地震が来ても家族をしっかりと守り抜く強さ(耐震等級3、長期優良住宅、優れた気密性)を、
目に見えない土台として完璧に築いています。
軒(のき)を深く出して雨や湿気から家をしっかりと守りながらも、
野暮ったさは微塵も感じさせない、洗練された美しい線の細さにこだわること。
流行りのデザインで飾るのではなく、暮らすほどに愛着が深まり、
次の世代へと安心して手渡せる「本物の住まい」です。
蔵波台の住まい 建物概要
千葉県|木造2階建て|専用住宅|長期優良住宅
延床面積 93.16㎡(吹抜け除く)
断熱性能 断熱等級5 外皮平均熱貫流率(UA値):0.47W/㎡K
耐震性能 耐震等級3(許容応力度設計)
気密性能 C値:0.30(中間時測定)
空調設備 壁掛エアコン
換気設備 ダクト式第3種換気システム
給湯設備 ガス給湯器
創エネルギー設備 無し
