第8回 日本エコハウス大賞 新築部門 『奨励賞』受賞

エントリー名|切妻屋根の住まい

 

60歳台ご夫婦の『 終の住処 』

間口5.8m/奥行21mという、奥行のある細長い敷地に建つお住まいです。

敷地の特性である奥行を生かしながら、視線の抜け・流れ/リズムを意識した、広々と伸びやかな空間構成が特徴です。

肌に触れる部分の木材を、手触り/足触りのよい『 杉(すぎ)・桧(ひのき)・楢(なら) 』とし、素材感の引き立つデザインで統一しています。

 

『住宅密集地の中で日当たりをどう確保するか』という問題に対しては、周囲の建物との関係をシミュレーションしながら間取りと外観を決定しています。

南側2階部分をセットバックさせる事で周囲の建物から距離を取り、南側開口部および吹抜けから太陽光をたっぷりと室内へ取り込める計画です。

 

耐震面では、視線が自然と抜けるように壁/床/吹抜けを配置し、開放的な空間を実現しながら、耐震等級3/許容応力度設計の基準を満たす計画となっています。

 

断熱面では、外壁にセルロースファイバーの吹き込み断熱に加え、ネオマフォームによる付加断熱も施しています。

それにより、年間を通して外気温の影響を受けにくい快適な室内環境を実現しています。[断熱等級6:外皮平均熱貫流率(UA値)0.33 W/㎡K]

 

さらに太陽光発電パネルを10.88kW搭載し、環境負荷を低減させるための設備計画を行い、脱炭素社会への取り組みも実現しています。

日中に発電した電力を自家消費することで、高騰している電気代を削減することができる計画です。

 

 

|建物概要|

検見川の住まい

千葉県|木造2階建て|専用住宅

 

法定面積:107.35㎡(吹抜け除く)

外皮平均熱貫流率(UA値):0.33W/㎡K

長期優良住宅

耐震性能 耐震等級3(許容応力度設計)

気密性能 C値:0.68(中間時測定)

外壁:金属サイディング

床:杉フローリング/コルクタイル/塩ビタイル

壁:ウッドチップクロス+粘土塗料/ビニールクロス

天井:構造材表し/ウッドチップクロス+粘土塗料/ビニールクロス

空調設備:壁掛エアコン

換気設備:ダクトレス第3種換気

給湯設備:おひさまエコキュート

創エネルギー設備:太陽光発電パネル10.88kw 搭載

 

≫工事中の様子などはこちら 

 

 

住まい手さんからのコメント

 

60歳台の夫婦です。

「これからの老後生活を元気に楽しく過ごせる家」、「次の世代に引き継げる資産価値のある家」を目標に、

バリアフリーの要素も考慮した家づくりに取り組むこととしました。

 

平さんに建築をお願いしたのは、HPを拝見して掲げられている

VISION-「気張り過ぎず、心地よく、美しいお気に入りの普段着のような住まいを 次の世代へも誇りを持って受け継がれる住まいを」

そしてMISSION(住宅性能の重視、新しい暮らしの場の提供、経年変化を楽しむ、徹底した図面づくり)が当方のニーズにピッタリだと思ったからです。

また、メールでのやり取りでは、これまで60歳台からの依頼は受けたことがないことや、バリアフリーを意識した建築経験はないことなど、

正直にお返事いただきました。事務所での面談で、誠実なお人柄に接し、新しい知識や技術はこれからでも研究、修得いただき、

よい家づくりをしていただけると判断してお願いすることといたしました。

 

打合せに入ってからは、都内の当方宅まで何度もお越しいただき、にわか勉強の我々の知識やYoutubeで拾っただけの情報にも真摯に受け答えいただきました。

設計段階では、我々のアイデアも図面に落としていただき、建築上の問題点、他の部分への影響など具体的に説明いただき、

納得して家づくりを進めることができました。

 

図面については、工務店社長もそのまま材料手配で使えるレベルで大変助かるとのお話しでした。

 

取得した土地が南北に細長い土地であったため室内の陽当たりが心配されましたが、平さんの設計意図どおり、吹き抜けを介した2階からの光もあり、大変明るい室内で快適に過ごしております。

 

これまで高い天井高の白壁基調のマンション暮らしで、それが快適と思っていましたが、

2.1mの低い天井で落ち着く寝室から、吹き抜けを下から見上げれば5m以上の高さがあり、光の明暗と無垢材の木目の豊かな表情のある空間ができました。

 

平さん、工務店さん、大工さん、その他多くの方々に携わっていただき、すばらしい住まいができたことに心から感謝しております。

 

 

 

植栽工事完了後(お施主様手配による別途工事|写真提供:お施主様)