まず、2階リビングを選択する要因として考えられる事は
敷地条件から、お隣が近く、
1階リビングでは開放的なリビングが実現できない。
または、
よりリビングからの眺望を確保したい。
といった事が考えられます。
リビングには大開口があり、その先にはリビングと繋がったウッドデッキ。
そういった光景が想像できます。
この大開口で注意すべきが、
夏の日射対策です。
最もシンプルな日射対策の方法は
窓上に庇を設ける事です。
太陽高度の高い夏の日射遮蔽には庇が非常に有効です。
また、
窓面を内部へこませて(凹)、
その面に窓を設置すれば
上部の壁が庇代わりとなります。
(これはプランに大きく影響する為、全体のバランスを考慮する事が必須です。)
そして、2階リビングを開放的な空間とする為に
勾配天井などにする事がありますが、
天井高さが高い場合は
暖気が天井付近に籠るため、
天窓(トップライト)や高窓(ハイサイドライト)などを設け
熱抜きの換気窓を設ける事も重要です。
ただ、
天窓は日射も多く取り込んでしまう為、
設置面をできる限り北側に向ける。(南側には向けない)
日射遮蔽用ブランドをオプションで付ける。
ガラスは最低でもLOWーEペアガラスとする。
など、工夫が必要です。
そして、根本的な話になりますが
建物自体の断熱性能を
十分に確保する事が非常に重要です。
断熱性能が高ければ、
『夏には室外の暑さや日射を室内へ取り込まない。』
反対に
『冬には室内で暖まった空気を室外へ逃がさない。』
&
『冬の日射を取り込み、自然エネルギーを使い暖房を補填する。』
といった事が可能となります。
国も断熱性能に関して基準を示していますが
それはあくまで最低基準であり、
決して十分な断熱性能ではない、と弊所では考えます。
そこで、弊所では
国が定める基準 断熱等性能等級の最高等級である等級4を上回る
※『HEAT20 G1グレード』を標準仕様として設計します。
断熱性能は、カタログ数値だけで判断するのではなく
専用の診断ソフトを使用し検討・ご提案を行います。
加えて、弊所では専用ソフトを使用し 建物燃費 を計算します。
これにより計画建物の 年間光熱費のシミュレーション が行えます。
また、計画建物と国の基準で計画した場合とでの光熱費比較も行えます。
比較を行う事で、
断熱性能の違いで
ランニングコストをいくら節約できているのかが一目で分かります。